佼成10月号かみしめ
10月2日の月曜朝礼の中で、校長先生より佼成10月号のかみしめをいただきました。
【抜粋】
怒りを覚えない人はいないと思います。皆さんも、いろいろな人間関係などで、怒りを
覚えるときがあるのではないでしょうか。
会長先生から、ご法話で「損をする」「負けることができる」という実践を教えていた
だきました。喧嘩をしているときなど、人に勝とうとすると、怒りで返して、押さえつけ
ようとする心が出ると思いますが、受け止めようとすると怒っている方もそれ以上の怒り
はなくなる、ということでしょうか。怒りが湧き上がってくると心拍数、血圧があがって
自らの体に害を及ぼすと同時に、繊細な人の心の動きがつかみ取りにくくなる、というこ
ともありますので、お互いに気を付けたいと思います。
怒りを覚えて、それを言動に移す前に何か別の行動を取ることを教えていただきました
。無意識に怒りをそのまま言動に出すと自らの体に対するその反動が大きいですが、ちょ
っとした間をおいて鎮めてから対処すると、自分の体を保つことができる。自分の体を害
さないということで、“損”をしないという意味で“得”になっていくということだと思います
。冷静に自分自身を見つめるとか、心の動きを常に意識するという習慣はとっても大切だ
と思います。
常不経菩薩を知っていますか?常不経菩薩品第20に出てくる菩薩です。常不経菩薩は
シンプルな修行を毎日続けられて仏になっていくのですが、怒らない修行をとことんされ
た人だと、私は解釈しています。会う人すべてに、「あなたこそ仏になる尊い人だ」と言
って拝み続ける。中には、拝んだ人から暴言をはかれたり、棒で叩かれたり石を投げたり
される。その時怒りを覚えるよりも、一旦その場を離れながら遠くから「あなたこそ仏に
なれる人だ」と相手を拝むことをやめなかった。それを続けていると、今まで常不経菩薩
を蔑んでいた人たちが常不経菩薩を拝むようになったというお話。
自分がどんなに尊い存在かという自覚が深まれば深まるほどいろんな方々の尊厳をも自
覚できるし尊ぶこともできる。その途中で自他の尊厳を自覚できなくなるような怒りを挟
まないことが大事なことだと思います。怒りを挟まないことでお互いに仏になっていける
循環が生まれるのだと思います。
良いことをしても思うような結果が得られないと腹が立ってきたりしますが、良いこと
をすると同時に、この瞋恚(しんに)、怒りを覚えないように自分の心をどうコントロー
ルしていくかということがとっても大事なことだと思います。
自分を労わって、心も体も大切にしていただけたらなと思います。