さっちゃんのあんパン

2015年10月23日(金)

さっちゃんのあんパン

 その日の朝は、パンでした。  総菜パンとあんパンのふたつ。
 どっちから食べようかな!?  と思っていたら、

 「総菜パンが食べられないから、あんパンと交換してくれる?」
   と仲良しのえっちゃんが言ってきました。

 『そうかぁ。食べられないならしょうがないか。』 と思って

 「いいよ。」と交換しました。

 二つの総菜パンを見ながら、『あんパンも食べたかったなぁ』とも思いました。

 美味しく二つの総菜パンをたべおわったころ

 同じクラスのかっちゃんが、「あんパン半分食べる?」と 持ってきました。

 「えっ、いいの?」と言いながら、思わずほころんでしまいました。

 『食べ残しかな。でも願いが叶ったかも。仏さまは私の心がわかるのかしら?』なんて思いながら、

 「ありがとう。」と言って、受け取りました。

 すると、となりにいたみっちゃんが「私もほしい」と言ってきました。

 『えっ、』と思いながら、 「いいよ。」と、半分のあんパンをまた半分にして渡しました。

 四分の一のあんパンを、満足そうにいただいたさっちゃんでした。

  『人に喜ばれることをすると、自分にも喜ぶことが帰ってくるってこういうことなのかなぁ・・・』
       とかつぶやきながら

 ある日の学生寮での一コマを、学生の話をもとに、絵本風にしてみました。

芳澍女学院は
  安心して正直になれる
  安心して素直な自分が出せる
  安心して頼んだり頼まれたりできる
    そういうところなのですね。
 頼む方も頼まれる方も、正直で、素直で、優しいふれあいに、心がとても温かくなりました。

 自己犠牲とか、菩薩行とか、まず人さまとか、
 言葉ではなくて、 生活の中で自然に活かしている姿に、拍手です。