妻の小さな野望

2019年04月15日(月)

某番組に「ニノの小さな野望」というコーナーがありますが、妻にも小さな野望があり、それを見事に果たしました。

以前のブログに書き記したとおり、妻は癌にかかり、左脚のふくらはぎから下を切断しましたが、「義足をつけた状態で、3男の通う小学校で障害について話し、義足を外して子どもたちに見せたい」というものでした。3男の同学年の保護者会の前の時間に話す機会を頂き、子どもたちの感想をまとめた文集を頂きました。

実際に実現したのは退院してからしばらくたった、2月か3月のことですが、驚くべきは脚を切断した直後から、この野望を持ち続けていたことです。

手足を切断した場合、幻肢と言って、なくなったはずの脚がまだあるように感じたり、幻肢痛と言って、ないはずの脚の痛みを感じたりと言ったことがよくあるのですが、妻はそれほど感じることがなかったようです。これは私の推測に過ぎませんが、脚がなくなったという事実を受入れられない人ほど症状が強く、妻のように、脚がないことを素直に受け入れ、脚がないことを前提に、前向きに生きていこうと思っている人は、幻肢痛に悩まされることが少ないように思います。

自分の置かれた環境を前提にベストを尽くす…これは障害の有無にかかわらず、大事なことだと思います。